スポーツカイトの基礎知識
1. 安全のための注意事項
スポーツカイトは、十分な基礎知識を持ち、ルールを守ってフライトしなければダメだ!
カイトは自然の風の力を利用して、フライトさせる。しかし、時には、人間の限界を超えるパワーを発するのだ!
そうなると、もう、お手上げさ。まったく、嫌んなるね。
したがって、自然を知り、自分を知ることが、非常に大切だ!肝に命じておけ!
事実、既に、カイトボーディングで死者が出ている。こうなってしまうと、自分が解剖されちまうので、要注意だ!
必ず、「広い場所で行う」、「周りに人がいないことを確認する」、「風にあったサイズのカイトを使う」こと。
決して、無理をしないことだ。事故が起きてから、後悔しても遅いんだ!
んじゃ、そういうことで。
2. スポーツカイトの種類
スポーツカイトは大きく2種類にわけられるの。フライトを楽しむためのカイトと、カイトのパワーを利用して自分を引っ張らせるカイトね。このサイトは、カイトボーディングのサイトなので、パワーカイトに関して解説するけど、基本的な部分はまったく同じよ。
また、カイトは動きをコントロールするために、複数のライン(糸)を使うんだけど、2本のもの(デュアル)と4本のもの(クアッド)の2種類があるの。
デュアルカイトのラインは右に1本、左に1本よ。ラインが2本なので、絡まりにくいわ。ほとんどがねじれてるだけなので、すぐほどけるのよ。
クアッドカイトのラインは右に2本、左に2本ね。それぞれ、上下に1本づつつながっているわ。4本だから、ねじれるだけじゃなくて、複雑に入り組んじゃうこともあるから、大変ね。強い風の日に、そんなことになると、もう大変!カイトはバタつくし、30mくらいあるラインをいちいちほどかなきゃならないから、ちょっぴりブルーになっちゃう。でも、クアッドだと、カイトをより自由に操作できるのよ。あとで説明するけど、逆向きにも動くから、カイトが落ちたときも簡単にあげられるわ。
それぞれのカイトの操作方法はまたあとでね。
フライト用カイト
パワーカイト(デュアル)
パワーカイト(クアッド)
3. 必要な用具
スポーツカイトに必要な用具は、カイト・ライン・ハンドル(ストラップ・バー)の3点だけだよ。これだけで、簡単に始められるんだね。
カイトの各部の名称は下図の通り。カイトの先端部分をリーディングエッジ、糸目のことをブライドルって呼ぶんだ。
ラインはスペクトラっていうプラスチック製の糸で、摩擦が少ないから、ねじれてもあまり、抵抗にならないんだよ。でも、熱に弱いから、木に引っかかったときに無理に引っ張ったりすると、摩擦熱で簡単に切れちゃうから、注意してね。あと、コンクリートとかでも簡単に切れるよ。とにかく、引っかかったときは、無理に引っ張らないほうがいいね。
ハンドル・ストラップ・バーは、形は違うけど、カイトを操作するのに必要だよ。ストラップは、デュアルカイト用、ハンドルはクアッドカイト用、バーはデュアル用とクアッド用があるよ。
ハンドル(クアッド用)
ストラップ(デュアル用)
バー(デュアル用)
バー(クアッド用)
あとは、バックストラップとかハーネス、そして、リーシュかな。
パワーカイトだと、引っ張る力がすごく強いから(何てったって、飛んじゃくらいだからね)、腕だけで支えるのは大変なので、バックストラップとかハーネスを使って、カイトのパワーを、直接、身体に伝えるんだ。
リーシュは、ハンドルとかバーを離しちゃったときに、飛んでいかないように腕につけるもので、セーフティーシステムがついてるよ。カイトが飛んでいかないようにするのと同時にパワーを切って、安全にカイトが落ちるようになってるんだ。
バックストラップ
ハーネスライン
4. カイトの構造
カイトの断面形状を見ると、飛行機の翼のような形をしています。カイトは飛行機と同じように、カイトの表と裏を風が通ることによって発生する揚力によって、浮き上がります。
5. カイトの飛ばせるエリア
カイトの飛ばせる範囲は、自分を中心とした半球のうち、風下側の半分になります。このエリアのことをウィンドウィンドウと呼びます。また、ウィンドウィンドウの真中をウィンドセンター、ウィンドウィンドウの切れ目の部分をウィンドエッジと言います。ウィンドセンターでパワーが最大となり、ウィンドエッジに近づくほどパワーが弱くなります。
また、風が弱いときは、ウィンドウィンドウは180度より狭くなります。何故なら、ウィンドエッジに近づくほど、カイトは風に対して平行に近づき、風が当たる面積が減るため、カイトの引く力は弱くなります。そのため、風が弱いときには、カイト自身の重さを支えられるほどの揚力が発生しないからです。
このウィンドウィンドウ内は、カイトが動き回るエリアです。そのため、この範囲に人が入ると非常に危険です。フライヤーは常に自分の風下に人がいないことをいないことを確認し、また、人を入れないように注意します。
6. ランチング
よっし!それじゃ、いよいよ、カイトを上げてみるか。
まずは、セッティングだ。カイト・ライン・ハンドル(ストラップ・バー)をつなぐわけだが、カイト・ハンドル(ストラップ・バー)には結び目があるはずだ。この結び目に、ラインの輪っかを図のようにして結ぶ(ラークヘッドノット)。こうすれば、はずすのも簡単だし、引っ張られる分には絶対に外れない。
ラインはのばした状態で取りつけるんだ、正月にあげるゲーラカイトとは違うぞ。
このとき、左右の長さは必ず同じにしろよ。違ってると、カイトがうまく操作できないぞ。
右と左の付け間違いにも注意だ。デュアルは、間違えたとしても、ねじれるだけだが、クアッドは大変なことになる。特に上下の付け間違いは注意しろよ。マジつらいことになるぜ。どれくらいつらいかは、まあ、試してみればわかるぜ。おっと、風の強い日にはやるなよ!死んじまうからな。
ランチングは、誰かに支えてもらっていても良いんだが、素人だと、かなり危険だ(支えるほうが)。とういわけで、セルフランチングの説明をしよう。
カイトってのは飛ぶように出来てるから、ほっとくと勝手に浮かんだり、めくれたりして、いろいろ厄介だ。ハンドル(ストラップ・バー)を持っている状態なら、勝手にランチしてくれて良いんだが、まあ、だいたいはセッティングして、カイトのところからハンドル(ストラップ・バー)まで、歩いて行くわけだ。その間に飛んでしまうとラインが絡まったりと、まあ、嫌な思いをするもんだ。
グランドなどでやる場合、野球のバックネットなどがあると便利だ。カイトをべたっと貼りつけてしまえばいい。ネットでなくても、引っかかれば、大抵はOKだ。ただ、木とかは注意しろよ。ブライドルが絡まって、面倒なことになることもあるからな。
砂浜とか周りに何も無いところでは、どうするか?そんなときは、カイトに砂をかけて重しにするんだ。このとき、カイトの下の部分だけにかけること。
これで、準備はOKだ。
ランチングは簡単だ。右と左のラインを同時に引けばいいだけだ。あとは、カイトに風が入って、真上まで自然に上がるはずだ。クアッドの場合は、両方の上糸を引くように。クアッドは上糸だけで操作すれば、デュアルと同じ操作で動く。
これだけ。簡単だろ?
ただ、注意する点がある。パワーカイトはかなりのパワーがあるわけだが、ウィンドセンターではものすごいパワーが発生する。風が強いときにここからあげようとすると、いきなり、飛ばされることがある。非常に危険だ。このようなときには、ウィンドエッジから上げるようにする。操作はまったく一緒だ。カイトがあがったら、次に説明するように、カイトを操作しながら、真上まで持っていく。
ウィンドセンターからランチする場合
ウィンドエッジがらランチする場合
7. カイトの操作
ハ〜イ♪それじゃ、カイトの操作について説明するわね。
カイトは左右のラインを引っ張って操作するってのは、もうわかってるわね。ラインをそろえると、カイトはリーディングエッジの向いている方向に進み続けるの。そして、右を引っ張ると、右回転をし続けるわ(A-B-C)。逆に左を引っ張ると、左回転をし続けるわ。クアッドは同じように上糸を引いてね。
引っ張る長さによって、回転半径が変わってくるの。少し引くとゆっくり大きく回るわ。沢山引くと、速く小さく回転するの。はじめのうちはゆっくり引いてみてね。特に小さいカイトは動きが速いから、強く引きすぎるとカイトの動きについていけなくて、パニックになるわよ。
ここで、注意しないといけないのは、右を引くと右に進むんじゃなくて、右に回転するってこと。右に進ませたい場合は、右を引いて右に回転させてから(B)、左右をそろえて直進(D)、左を引いて左回転(E)、左右をそろえて停止ってやるのよ。字で書くと大変そうだけど、慣れれば無意識に出きるわ。
クアッドの場合、更に、下糸があるわね。
じゃあ、まず、カイトが真上にある状態で、右の下糸を引いてみて。カイトがその場で回転したでしょ。これが、下糸の機能。下糸を引くと急旋回できるのよ。上糸だけの回転と比べると、一目瞭然でしょ。回転性能が上がって、より自由にカイトを操作できるはずよ。
初めのうちは、上糸だけで、デュアルのように操作して、慣れたらちょっとずつ、下糸を使うようにすればいいわ。すぐに慣れて、自由に操作できるようになるはずだから。
もう一つの下糸の機能を説明するわね。
また、カイトを真上まで持ってきて。そしたら、今度は両方の下糸を同時に引いてみて。ほら、カイトがそのまま下に下がって、地面に落ちたでしょう?じゃあ、今度はカイトが動いてるときに、両方の下糸を同時に引いてみて。カイトがウィンドエッジまで来てないのに、急に止まって、逆向きに動き出したでしょう?
そう、下糸を同時に引くと、リーディングエッジと逆の方向に進むのよ。これが、下糸のもう一つの機能。
これを使えば、カイトをウィンドウィンドウのどこにでも自由に移動して止めていられるわ。あと、カイトを降ろしたいときにいつでも降ろせるわよ。
あと、カイトが落ちて、リーディングエッジが下を向いてるときも、下糸を両方引けば、逆向きにあがるわよ。デュアルだと、こうはいかないわね。最悪、人の手を借りないとあがらないんだから。

カイトの操作に慣れてきたら、今度は∞にカイトを動かしてみて。動かす向きは、上向きと下向きがあるの。図は下向きね。きれいに∞のマークが描けたら、もう、バッチリよ。
そろそろ、気付いてると思うけど、カイトが止まってるときと、カイトが動いてるとき、カイトの引く力が違うと思わない?
そう、カイトは動いているときはパワーが増すの。カイトの構造のところで説明したけど、カイトって揚力であがるでしょ。だから、カイトを動かして、相対的に風を入れてやると、揚力が増して、引っ張る力が強くなるの。これで、パワーの強弱もコントロールしながら、引っ張らせるのよ。
8. ランディング
今度はランディングだね。カイトを上げたからには、降ろさなきゃいけないからね。
まずはデュアルの場合。
カイトをゆっくりウィンドエッジに沿わせながら、地面に近づけて、地面についたら、ラインを緩めるんだよ。片方のラインを放しちゃったほうが確実だね。でも、風が強いと、めくれたり、転がっていっちゃったりして、また、ラインが絡んじゃうから、ランチングのときと同じように、バックネットとか、引っかかるところに降ろすようにすれば、飛ばないよ。何にもないときは、う〜ん、ダッシュで駆け寄る、しかないかなぁ?あとは、降ろしたときに誰かに持っててもらうか、砂をかけてもらうかだね。
クアッドの場合は、まずはデュアルと同じ方法。
もう一つは、操作のところで説明したように、下糸を引っ張って降ろす方法があるよ。これも、ネットとかがあればいいんだけど、無いときは、誰かに砂をかけてもらうといいよ。下糸を引きつづけてる限り、カイトはあがらないから、カイトを止めておいて、誰かに砂をかけてもらおうね。
9. 緊急時
以上で、スポーツカイトの基本的なことは説明したが、緊急時のことも説明しておこう。
まず、急に風が強くなり、コントロールできなくなった場合や、引きずられてしまった場合だ。
できれば、すぐにランディングさせればいいんだが、風が強いとランディングも難しくなってくる。どうしようもないときは、片方のラインを放すことだ。片方を放すと、くるくる回転しながら落ちてくるはずだ。両方放すと飛んで行っちまうから気をつけろよ。
ただ、本当にどうしようもないときは、両方放してしまってもいい。引きずられて怪我をしてはつまらないからな。
ラインが絡まってあとで大変だがしょうがない。
それと、ラインは決して手では持つな!指が落ちるぞ。
飛んで行ったカイトを見物人が親切に拾ってくれることがあるが、絶対に拾わせるな!素人がいきなりパワーカイトを持ったら飛ばされるだけだ。もし、ラインをつかんだりしたら、そいつの手もスパッと切れちまうだろうしな。
こうならないように、カイトサイズを選ぶときは、風と自分の技術をよく確認することだ。
無理して、死んじまったら、しょうがないからな。
んじゃ、がんばれよ。
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